彼女は80歳を迎えた今、人生100年時代・自立している間にしておくこと、について語りました。要約をお伝えいたします。
私たちに伝えたいこと/
1964年
彼女は建築を専攻する学生でした。当時の東京オリンピックパラリンピックに、通訳としてボランティア(当時は奉仕団)参加し、そのことが、彼女の職業を決定つけました。障碍者・高齢者が住みやすいい家の設計を専門とする建築家となったのです。/
高齢者・障害者が過ごしやすい建物
その人たちがその家で、できるだけ自立した生活ができる配慮がなされていなければなりません。住宅雑誌に床壁が真っ白な内装の写真が掲載されたことがありますが、あれでは視力が落ちたときに床の段差がわかりません。段差の先端(段鼻)は明確にとらえられないと危険です。/
バリアフリーという言葉
手すり設置・段差解消的な狭い範囲で使用されていることが気になります。彼女は今、ケアリングという言葉に言い換えています。住まいの中のストレスを一つ一つ解消し、車いすでも問題なく生活できる家を目指します。できることから始めましょう、床に新聞紙がおちていませんか?たこ足配線になっていませんか?カーペットのめくれはありませんか?等々。
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彼女のクライアント
土地の広さの関係で、15坪の家しか建てられませんでしたが、様々な工夫で、一人で車いす生活をしていらっしゃる方がいます。福祉の支援は受けていますが、生活上何でもできてしまうので介護認定を下げられてしまったほどだそうです。/
今80歳の彼女
65歳のころから高齢者となった時の快適な生活を求めて、色々と工夫されてきたそうです。家具を背の低いものに変えれば手すりとして使え、改修の機会には引き戸を多用し、動線を短くできるレイアウトに変更されてきました。80歳の今になってそれをやるのはとても無理です、早めに対策を立てて本当に良かったとおっしゃっています。
実現したい全体像を把握して、できる時に近づけていくことが大事とのことです。また個人の力だけでなく、周囲の力、地域の力を活用し、失ったものを求めるのではなく、残されたものをいかに活用するかが、とても大切なことと教えていただきました。