ハルメク2023年「終活」に関する意識と実態/
結論と考察
「終活」の必要意識と行動                                              ◼ 2023年調査において、「終活は必要」とする割合は76.8%。しかし「終活を始めている (完了+一部実施)」割合は39.2%にとどまり、終活を必要とする意識と実際に行動する 間にはギャップが生じている。                     ⚫ 2023年調査 年代比較 「終活は必要」も「終活を始めている」も高年代層ほど割合が多いものの、75~79歳でも「必要」と「始めている」の割合差は29.8ポイントあり、意識と行動の間にギャップが存在している。                ⚫ 2021年調査、2018年調査との比較(60~74歳)「終活は必要」と「すでに始めている」の差を時系列でみると、2018年42.2ポイント、2021年40.7ポイ ント、2023年34.7ポイントと徐々に縮まってはいるが、意識と行動の間にギャップが存在する構造自体 は変わらない。 なお、「終活は必要ない」とする割合が、2018年の18.9%から徐々に増え、2023年は4ポイント増の 22.9%となった。page7image12268336                                      「終活を後回しにする」傾向は、年代の違いや社会環境の変化によっても変わらないと考 えられる。 一方で、「終活は必要ない」とする割合が、この5年間にわずかではあるが増えており、終 活マーケットが踊り場にきているともいえる。/

必要な終活
◼「必要だと思う終活」TOP3は「家具や家の中の荷物整理・処分」 32.3%、「金融口座・金 融商品の整理」30.0%、「衣服やアクセサリーなど身につけるものの整理・処分」24.0%であ る。
◼  新設項目である「健康習慣の開始・見直し」は17.7%で7位、「投資信託、株式投資など資 産運用をはじめる」は10.6%で18位にランクインしている。
◼  実際に、「健康習慣の開始・見直し」や「資産運用」を始めた人も少なくない。 ⚫ 2021年調査、2018年調査との比較(60~74歳)
「必要だと思う終活」として、家の中の荷物や金融関連などの整理・処分といった項目割合は、2018年 以降減少(項目によっては2021年から減少)しつつも、2023年も上位を占めた。一方、微増ではあ るが、「会いたい人に会っておく」は、2021年から3ポイント増えて2023年は16.3%となった。
page8image12572976「必要な終活」として、整理・処分といった捨てる・減らす・やめる系は、コロナ禍以 降、割合は減少傾向だが依然上位にある。一方で、見直す・増やす・始めること も必要な終活とする意識がみられる。前者「捨てる・減らす・やめる」だけでなく、 後者「見直す・増やす・始める」系も“終活”に含めて捉えなおすことで、終活マー ケットは拡大するのではないか。/

V.2023年/2021年/2018年調査結果の比較(60~74歳)
「終活」の実施状況 
◼ 終活をすでに「完了」は、2018年→2021年→2023年と微増。「一部を実施」は、2018年から 2021年にかけてやや減ったが、2023年は増加。「完了」と「一部を実施」を合わせた「終活を始めてい る」は、2021年より約4ポイント増加。
◼ 一方、終活を「今後始める予定」は2018年から減っており、終活「完了+一部を実施+今後始める 予定」の「終活は必要」の割合は徐々に低下している。