自筆証書遺言を作成した遺言者は、法務局へ遺言書の保管を申請できるようになりました。
自筆証書遺言は、ともすると廃棄されたり変造されたりする恐れがありました。それらのことへの対処方法として利用ができます。 そして、この保管された自筆証書遺言については、家庭裁判所の検認不要になりました。
この制度の法務局資料を最後に添付致しますが、若干の補足を記載致します。
遺言書保管申請手続き
自筆証書遺言書を、法務局に保管してもらうことができ、申請書は法務局ホームページからダウンロードできます。
遺言書の様式が決められており、必要書類も記載されていますので、必ずご確認の上手続きをお願い致します。
遺言書の保管期間は、遺言者が死亡した時から遺言書については50年、遺言書に係る情報については150年です(同法6条5項、法務局における遺言書の保管等に関する政令第5条第2項)。但し、遺言者の生死が明らかでない場合は、遺言者の出生の日から起算して120年を経過した日が、遺言者の亡の日に相当する日とされます(同政令第5条第1項)
法務局への保管申請は遺言者本人の手続が必要です。ということは、判断能力があっても病気等のため法務局へ出向けない遺言者は、利用できません。
代理人による申請は現在のところ認められません。
相続人への通知
遺言者死亡後、相続人から遺言書の写しの請求(遺言書情報証明書)があると、他の相続人へ遺言書保管の事実を通知するとありますが、登録された相続人がすべての相続人かを担保するシステムにはなっていません。
もし登録漏れの相続人があり、その相続人を除いて相続手続きが完了していても、後日申し出があれば、相続はやり直しです。
法務局側では、死亡の届出が自治体より下記要領で通知されています。
市区町村役場に提出された出生・婚姻・死亡等の戸籍届書は、おおむね1ヶ月間本籍地の市区町村役場で保管されたのち、その市区町村を管轄する法務局・支局送付されます。
自筆証書遺言の内容確認
法務局は提出された自筆証書遺言について、本人確認を行ないます。 しかし、これは署名、押印、日付等について行なわれ、遺言内容について助言したりすることはありません。
あくまでも、保管手続きされる遺言書は、自筆証書遺言の枠を超えるものではなく、改ざん・遺棄防止の意味合いが強い制度です。遺言書の内容・相続人の範囲等、相続内容の正当性を担保する制度ではないことに注意しておかなければなりません。/
⇩
お気軽にご相談ください
「行政書士くりかわ事務所http://office-kurikawa.com」