「任意後見制度の利用促進に向けての提言」成年後見センター

                    及び

「任意後見制度の見直しについて」厚生労働省

                    の主旨      

任意後見申立割合

平成27年から令和元年までの5年の任意後見契約は、年間平均で12,013件です。 任意後見の契約件数は増加傾向ですが、任意後見契約の発効数 任意後見監督人選任の申立ては、令和2年が738件で契約数年平均の6%です。

任意後見制度の利用の低迷 任意後見制度は、本人の自己決定の尊重という新しい成年後見制度の理念に最も適合的 な仕組みとして、平成12年4月に法定後見制度とともに創設されましたが、その利用は低調なまま推移しています。

任意後見契約が申立てにつながらない事情

任意後見契約のうち監督人選任登記のあるもの、すなわち締結済 みの任意後見契約(契約が終了しているものを除く。)のうち発効しているものは約6%で あること、そして締結済みの任意後見契約のうちの約4分の3をいわゆる移行型が占めて いることが分かりました。 任意後見契約締結時の本人の年齢が予想以上に高いこともあわせて考えれば、任意後見 契約の発効の割合が6%というのは、あまりにも低いと言わざるを得ません。そして、移行 型が4分の3を占めているということから、適切な時機に任意後見監督人の選任の申立て (任意後見契約の発効)がされず、本人又は第三者の適切な監督が及ばないまま財産管理等 委任契約が継続され、本人の財産が適正に管理されていない(場合によっては搾取が行われ ている)可能性が高いことが窺われます。/

検討課題

  • 任意後見制度を中心に本人の自己決定を尊重しながら、本人の状況の変化に応じ、裁判官の関与の下に必要最小限の範囲で代理 権を追加的に設定して本人保護を適切に図っていくという観点から、 任意後見制度と法定後見制度が併存する状態を容認する。
  • 任意後見 制度と法定後見制度の併用が認められれば、同意権・取消権のみの法定後見 制度を開始すれば足りることとする。
  • 任意後見契約を締結し、判断能力低下後において は自らが選択した任意後見人による支援を受けることを望んだ本人の意思 の尊重を制度的に担保するとの観点からは、本人が別段の意思を表示して いるなどの特段の事情がない限り、成年後見人等については、任意後見人を 選任しなければならないといった仕組みにする

成年後見制度の法改正が進む中で、任意後見制度の見直しも避けて通れない状況です。